女性の薄毛にプロテインは効果的か?

髪のもとになる大切なタンパク質。
不規則な食生活でも手軽にとれるサプリメントのプロテインは、ダイエットに取り入れたり、美しいボディラインを作るための筋力作りにも役立ちますが、女性の薄毛にはプロテインは効果的なのでしょうか?
また、最近は女性ホルモンとよく似た働きをすると言われるイソフラボンによる摂取をおすすめされる事が多いですが、大豆イソフラボンを過剰摂取すると病気のリスクがアップするという研究発表もあり、大豆を原料とした大豆プロテインに関しての心配もあります。
今回はプロテインが女性の薄毛に効果的なのか?また、どのプロテインが女性には良いのか解説していきます。

なぜ?薄毛の悩みにプロテインが必要なのか?

私たちの体は筋肉や内臓だけでなく、肌や髪、爪に至るまでほとんどの部分がタンパク質でできています。
ダイエットのために無理な食事制限をすると、タンパク質が不足してしまう危険があります。
タンパク質が不足すると筋肉量が減少し、基礎代謝も低下してしまい、ダイエットにも逆効果となります。
タンパク質には、肌や髪、爪の状態を良くしたり、免疫力を高める働きもあるため、健康で若々しくいるためには必要量をしっかり摂らなければなりません。
食事で補えない分の栄養素をプロテインを上手に活用して、健康的に若さや美しさを保つ事ができるキーポイントになります。
また、普段の食事では摂取出来ない髪に必要なアミノ酸もプロテインによって摂取出来るのもプロテインをオススメする理由の一つです。

厚生労働省からの身体の活動レベル別に見たタンパク質の目標量の一覧もありますので参考にしてみてください、

タンパク質の目標量の表はⅠ.Ⅱ.Ⅲと身体の活動別に数値化してあります。

身体活動別の数値化

Ⅰ.一日のうち座っている時間がほとんどの場合

Ⅱ. デスクワークなどがほとんどだが、軽い運動や散歩などをする場合

Ⅲ.立ち仕事や移動が多く、スポーツなどの運動量が多い場合

身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)(非妊婦、非授乳婦) 

厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より参照

タンパク質不足になると症状として表れる。

タンパク質が不足すると身体には様々な症状が表れます。
お肌が荒れたり湿疹やアトピーのような症状も出る場合もあり、髪にハリがなくなり、抜け毛が多くなったりします。
ほかには、爪の周りにささくれができたり爪が弱かったり、風邪をひきやすかったりするのもタンパク質不足のサインとなりますので、タンパク質は私達の身体を健康維持には必要不可欠な成分となります。

プロテインにはどの様な種類があるのか?

 

プロテインには牛乳を材料とするホエイプロテイン・カゼインプロテイン、大豆を原料とするソイプロテインがあります。
ホエイプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質の一種です。
ヨーグルトの上澄みにできる液体のことをホエイ(乳清)といいますが、このホエイに含まれるタンパク質がホエイプロテインです。
ホエイには他に、ミネラルや水溶性ビタミンが含まれます。
また、アミノ酸も豊富に含まれていますので髪を作るもとになるアミノ酸をキチンと摂取出来るという利点もあります。また、ホエイプロテインは水溶性で体内への吸収時間も2時間と速いため、筋トレと併用して効率よく筋肉を発達させたい方によく好まれています。

カゼインプロテインは、ホエイプロテインと同じく牛乳を主成分とするのがカゼインプロテインです。
この主成分であるカゼインは生乳を構成するタンパク質の約80%を占めています。
ホエイプロテインが水溶性で吸収が早いことに対し、カゼインプロテインは不溶性で固まりやすく、体への吸収速度がゆっくりであることが特徴です。
ダイエットや身体を動かさない日のタンパク質補給には向いているプロテインになります。

ソイプロテインの原料は、大豆のタンパク質部分だけを粉末にしたものです。
タンパク質の比率を高め水分や糖質、脂肪を減らし植物性タンパク質を効果的に摂取できるようになっています。価格が比較的安いことも特徴の一つです。
大豆タンパク質は女性ホルモンと良く似た働きをすると言われるイソフラボン成分が豊富に含まれているので大豆を原料としたソイプロテインを選ぶ人も多いようです。

1日の摂取量はどれくらいが好ましい?

1日1~2杯のプロテインがオススメです。 たんぱく質の1日当たりの摂取推奨量は男性で60~65g、女性が50gとされています。

プロテインを飲む時間帯はいつが一番効果的なのか?

プロテインの摂取は朝ごはんのタイミングか睡眠前がおすすめです。
睡眠時にはたんぱく質の供給が行われないため、朝は体内のたんぱく質も不足しています。そのため、朝食時には体内で不足しているたんぱく質を補っていくことが大切です。
もしくは、仕事中におなかが空く時間帯。例えば、おやつタイムの時間などにプロテインを摂取するのがオススメの時間帯になります。また、運動をする場合のプロテインの摂取にも大きく分けると運動する前と運動後の摂取ではプロテイン効果は違います。
運動前のプロテイン摂取は運動中のタンパク質不足をふせき、運動中の筋肉に回復を助けます。
運動後のプロテイン摂取は筋肉量の低下や筋力の修復を助けます。
また、運動後45分以内は筋肉へのアミノ酸輸送量が3倍にアップするため、プロテイン摂取のゴールデンタイムともいわれるほどおすすめのタイミング。

ロート製薬 女性におすすめのプロテインの選び方より参照

寝る前のプロテインの摂取は成長ホルモンの効果がアップ

成長ホルモンとは脳下垂体から分泌されているもので、体の機能をコントロールする役割や筋肉量を増やす役目を担っています。
成長ホルモンは若々しさを与えるホルモンともいえますので加齢により徐々に衰えてきている頭皮にも成長ホルモンは若々しい頭皮活性に繋がり育毛効果を高め求めてサ。
就寝前もプロテイン摂取におすすめのタイミングの1つです。

就寝前がプロテイン摂取におすすめの理由として、睡眠中にはたくさんの成長ホルモンが分泌されていることが挙げられます。
成長ホルモンはたんぱく質の吸収を促すため、寝る前にプロテインを摂取しておくことで筋肉量を増やすことにもつながるでしょう。
タンパク質は肉や魚などの食事から摂取できる栄養素ですが、仕事の忙しさや、食事の栄養が足りない場合に手軽に補えるものがプロテインです。
就寝前に肉や魚を食べるのはかえって肥満を招くので、プロテインを活用すれば手軽に筋肉量を増やすことができますね。
また、セロトニンといった脳内神経伝達物質がバランス良く働いてくれる事が大切になります。
セロトニンは加齢により徐々に少なくなるといわれていますが、プロテインに豊富に含まれているたんぱく質は、この脳内神経物質を生成する働きがあるため、
寝る前にプロテインを飲むことにより睡眠の質が改善されるといわれています。

更年期や女性ホルモンのバランスが崩れて抜け毛、薄毛を引き起こす場合にオススメされる大豆イソフラボンは本当に良いのか?

ソイプロテインを摂取すれば大豆イソフラボンが摂取出来るとされていますが、大豆イソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをすると言われており、女性の若々しさや美しさを手助けする働きがあるといわれています。
特に、更年期には「エストロゲン」の分泌が急激に減少するため40代~50代の女性はソイプロテインをオススメする記事が多いのですが、大豆を原料としたソイプロテインを多く摂取すれば、イソフラボンを多く摂取出来て髪にも抜け毛防止にも良いとはいわれていますが、果たして本当でしょうか?
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽に含まれているポリフェノールの一種です。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造をしていることから、特に女性に注目されている成分だと言われています。
大豆や大豆製品に含まれており、ソイプロテインと豆乳からも摂取できる成分です。女性ホルモンに似ていると聞くと、多く摂取してしまった場合に体に影響はないのかと心配になる方もいるかもしれません。
日本人の食生活では、昔から大豆や大豆製品を食べ、植物性タンパク質を摂取してきました。
ソイプロテインや豆乳を、水の代わりに飲むなど、極端な飲み方をしなければ心配はいらないと考えられます。

森永製菓 かんたん、わかる!プロテインの教科書より引用

40代以降の更年期の症状に悩まされている方には、ソイプロテインとホエイプロテインはどちらが良い?

ソイプロテインとホエイプロテインを各グループに分けて2週間摂取させた海外の実験では、ソイプロテインを摂取したグループに明らかなストレスホルモンの増加がみられたという報告があるようです。
コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが増加すると、様々な疾患が生じやすくなり、体重の増加にもつながります。
また、ソイプロテインは摂取しすぎると生理が遅れる・ホルモンバランスが乱れる等の症状も発生する可能性があるようです。
40代以降の更年期の症状に悩まされている方には、
ホルモンバランスの乱れは抜け毛も誘発しやすくなりますので、ホルモンバランスによる抜け毛が原因と考えると、ホエイプロテインがおすすめです。

健康コラム お薬ナビより参照

大豆イソフラボンの過剰摂取にはリスクもあります。

 イソフラボンに関して国立がん研究センターによる報告です。
イソフラボンの摂取が多いと認知機能障害リスクが高まる」と国立がん研究センターが報告

国立がん研究センターがん対策研究所予防関連プロジェクトの研究グループ報告したものです。
調査の対象になったのは、1990年に長野県佐久保健所管内に在住していた男女のうち1995年と2000年に実施した食物摂取頻度調査票に回答した、うつの既往がなく2014~2015年におこなった「こころの検診」にも参加した1036人です。
対象者はイソフラボン、大豆製品全体、豆腐、味噌、納豆、発酵性大豆食品の摂取量の平均値を算出し、摂取量の多さで4つのグループに分類されました。
今回の研究では、イソフラボンの主な種類であるゲニステインとダイゼンの間で高い相関が認められたことから、ゲニステイン摂取量をイソフラボン摂取量の代替として用いています。
研究では、記憶やそのほかの認知機能に関する4つの検査と医師の判定により、軽度認知障害(MCI)が346例、認知症が46例と、併せて392例が認知機能障害と診断されました。
解析の結果、イソフラボンの摂取量が多い群ほど認知機能障害のリスクは上昇したということです。
一方で、大豆製品の摂取量、豆腐、味噌、納豆、発酵性大豆食品の摂取量については、認知機能障害との関連は認められませんでした。

 

Medical DOC イソフラボンの摂取が多いと認知機能障害リスクが高まる」と国立がん研究センターが報告より引用

イソフラボンの摂取量が多いと肝がんのリスクも上がるという研究記事がありました。


男女約2万人のうち、12年の追跡期間中、101人(男性69人、女性32人)が肝がんと診断されました。アンケートから計算されたイソフラボン・大豆製品摂取量によって、3つのグループに分けて、最も少ないグループに比べ、その他のグループで肝がんのリスクが何倍になるかを調べました。
イソフラボン・大豆摂取量と肝がんの発生リスクに関連はみられませんでしたが、女性では、イソフラボン摂取量の最も多いグループの肝がんリスクは、ゲニステインで約3倍、ダイゼインで約4倍でした。

キッコーマン輝きプロジェクト 更年期に採りたい成分より引用

サプリメントでのイソフラボン摂取は大量に摂取するのではなく、過剰な摂取はどのような食材やサプリメントでも体には悪い影響を与える可能性があるのできちんとした適量を守りましょう。過剰な服用は避けましょう。

プロテインなどのタンパク質摂取には腎臓病の方には制限があります。

慢性腎臓病の方の注意点。
慢性腎臓病においては、たんぱく質摂取が腎機能の低下を促進させるおそれがあるため、プロテインなどのたんぱく質の摂取制限が長らく行われています。
タンパク質を摂取するのは大切ですが、容量は守りましょう。
普段の食事からでも無理なく、そしてイソフラボンの認知症リスクもなく、良質なたんぱく質が摂取できます。

普段の食生活での大豆摂取では認知症リスクは関連されないようですので安心です。

日本人の食生活に欠かせない大豆の摂取は毎日、誰しもが口にしますので心配になりましたが、認知症リスクやガンのリスクも関連がないとなればお味噌汁や納豆や豆腐は髪の育毛の為にもすすんで摂取しましょう。
特に発酵食品である納豆は髪にも身体内部の健康にも納豆は栄養バランスが良く、非常に大切な食材になります。
必須アミノ酸というたんぱく質の成分が、バランスよく含まれている状態のことです。
体内では作り出せないため、食品からの摂取が必要になります。このアミノ酸のバランスの評価を「アミノ酸スコア」といいます。
納豆はアミノ酸スコアが満点に近い商品です。
髪にはこの必須アミノ酸がなくてはならない関係で必須アミノ酸は髪を作る素となります。
特に必須アミノ酸のL-リジンは女性の抜け毛や薄毛に必要なだけでなく、男性の薄毛治療や育毛に適しているとされL-リジンはサプリメントとして多くの髪の悩みを持つ人から人気です。

他にも納豆に含まれるビタミンBは大豆の約5倍含まれています。
その他、歯や骨などを作り体内バランスを整える「ミネラル」など多くの栄養素が含まれています。
中でも「ビタミンK」が豊富なのが特徴で、カルシウムを骨に吸着させる助けをしてくれます。

まとめ

プロテインは摂取する事により必要なタンパク質を補給出来て、髪や頭皮、または美しい身体作りには非常に有効とされていますのでプロテインを摂取する事をオススメします。
トータル的な身体や髪への効果としてはホエイプロテインが大豆イソフラボンの摂取リスクの心配もないので女性の髪のお悩みには適したプロテインはホエイプロテインとなります。
また、プロテインは過剰な摂取はサプリメントの過剰摂取と同じように逆効果となる場合がありますので過剰な摂取はやめましょう。

1日の摂取量を守る事が一番の効果を実感出来ます。