知っておきたい育毛業界のタブー  育毛剤と発毛剤の違いを知らないと損!   

「その有名な育毛剤で、髪が生えましたか?」
発毛診断士である 私はよく相談者や育毛講習で問いかけるのですが、
「いえ、生えませんが、ちょっとうっすら産毛が生えてきた感じがします」
「この育毛剤を使ってないともっとハゲてしまう気がするので、使っています」返ってくる言葉は決まってこういうセリフです。

毎日ケアするのはもちろん大切なことですし、大手のメーカーが開発している育毛製品は研究開発をして製品化されるのですから、信頼度も高いでしょう。
しかし、大手メーカーの育毛製品で髪がフサフサに生えた人を私は未だに見たこともありませんし、生えたと聞いたこともありません。もしかしたら私の知らないところで髪がフサフサになった人はいるかもしれませんが、大概は生えてはいません。
それはなぜでしょうか?

大手メーカーの育毛剤やインターネットで販売されている育毛剤や育毛製品には「髪が生える」とは一言も記載されていませんし、発毛成分は配合されていないというのが正し いでしょう。


発毛剤は、毛髪の毛包(毛を作り出す場所:特に毛根)を活性化させて、髪が抜け落ちた頭皮に新しい髪を生やす効果があります。
発毛剤には「ミノキシジル 」という成分が入っており、日本では唯一、髪を生えさせる成分の外用薬として認可されております。

その一方で、育毛剤の効果としては、現在の髪がまだ生えている頭皮を清潔に保ち、髪が太く長く、より丈夫に育ちやすい環境を整えます。メカニズムとしては、薄毛の原因物質の生成を防いで、これ以上の薄毛(抜け毛を防ぐ)への対策に効果があります。こちらには、ミノキシジルは配合されておりません。

https://brand.taisho.co.jp/contents/riup/detail_348.html
大正製薬 発毛剤と育毛剤の具体的な効果や概念の違いより引用

そもそも「発毛剤」と「育毛剤」は大きく違います。

発毛剤は文字通り髪を発毛させるための成分を配合した製品で、日本では「医薬品」に 分類されます。
有名な発毛成分はミノキシジル成分ですが、日本ではまだ大手数社しか医 薬品認可されておらず、薬局もしくはクリニックでしか販売されていません。
これに対して育毛剤は「医薬部外品」となり、医薬品とは異なります。一般に流通して いるのはこれです。
この医薬部外品育毛剤は、日本の厚生労働省が「育毛には良いだろう」と指定している成分を配合して認可申請をすれば、簡単に世の中に商品として登場します。
様々な育毛剤が世の中に普及している背景には、こうした現状があります。

インターネット広告や紛らわしい育毛広告では〝薬用育毛剤〟とか〝厚生労働省認可育毛剤〟といった表現もありますが、これらは全て「医薬部外品育毛剤」です。
ミノキシジル成分配合の発毛剤は医薬品に分類されますので「発毛」と表示できますが医薬部外品育毛剤で表示できるのは「育毛」という表記までになります。 ですから「髪が生える」とか「フサフサになる」といった表現はできませんし、実際にそうなることはないでしょう。

「頭皮を健やかに保つ効果」「血行促進効果」、「フケ痒み防止効果」 これが、正しい「育毛剤の効果」です。
テレビコマーシャルやネット広告によって、あたかも髪が生えるように錯覚して育毛剤を購入される人がほとんどです。
でも、皆さんの「髪がフサフサになった自分」を想像して育毛剤や発毛剤を購入する視点と、育毛メーカーの「発毛」の定義との間には、大きなギャップがあります。

多くの人は「発毛」と聞くと、あの頃のようなフサフサな自分、そこまでフサフサにならなくても5年前、 年前の髪が復活すると考えてしまいますが、現実は違います。

発毛の定義は、「産毛が生えたら発毛」とされているのです。

「えっ! 産毛?」驚かれた方は多いでしょう。

そう、残念なことに、産毛が生えたら立派な発毛となってしまうのです。
よく見られる「生えなかったら返金補償」というキーワードには、こうしたカラクリがあります。産毛が生えたら発毛として認められるので返金補償対象外となってしまうケースが現実に多くあるようです。

ですから、日本で唯一のミノキシジル成分配合の発毛剤も、「フサフサ」という過度な期 待を想像するのではなく、産毛が生えてきてその産毛の密度が多くなってくる、という程 度のイメージを持たれておいた方が良いでしょう。

育毛剤、発毛剤には副作用はあるの?

副作用に関しては育毛剤よりも発毛剤の方が医薬品という部類になりますので医薬品のお薬となると副作用は必ずあることは覚えておきましょう。
大手製薬メーカーの発毛剤、育毛剤に関する副作用に関しての記述がありますので引用させていただきます。

発毛剤、育毛剤に共通する副作用としては、使用例の約10%程度でありますが、皮膚の炎症が起きて、頭皮のかゆみ、かぶれ、発赤があります。
また、ミノキシジルは降圧薬として開発された経緯があるため、高血圧がある方は注意が必要です。
次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談するようにしましょう。

  • 今までに薬や化粧品などによりアレルギー症状(例えば発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人
  • 高血圧の人、低血圧の人
  • 心臓又は腎臓に障害のある人
  • むくみのある人
  • 家族、兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人
  • 高齢者(65歳以上)
  • 甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)の診断を受けている人

 これらの人は、発毛剤を使用中でも、ご自身の様子を観察しながら継続するようにしましょう。

大正製薬商品情報サイトより引用

一方で、近年注目されているのが「化粧品成分」の養毛剤です。

化粧品成分とは、医薬部外品育毛剤のように数十年前から変わっていない国による指定成分ではなく、最先端の成分を配合して製品化することができるものです。
医薬部外品の製品化には、申請~承認までで約6ヶ月~10ヶ月を要します。(製品によってはさらに承認まで時間を要することもあります)
医薬部外品の育毛剤は新しい成分を配合するにしても申請から承認までの期間が長すぎるために、せっかく承認を得られたと思ったらもうその成分は古いなんて事も当たり前にある世界なのです。
医薬部外品の育毛剤は育毛と言葉が使えますが新しい成分を直ぐに配合する事が出来ないという事が大きなデメリットになります。
化粧品部類の養毛剤は医薬部外品とは違って育毛という言葉は使えなく、養毛剤という表示になりますが、医薬部外品とは違い申請から承認という年月のかかる国の指定成分認可の必要がありませんので、化粧品分野での最先端のその時の注目されている成分が使えるという概念から女性には医薬部外品育毛剤より化粧品部類の養毛剤の人気が高いようです。

育毛剤、養毛剤によくあるトリック

「純度100%」とか、よく聞くけどホント?
「○○純度100%」とか、「△△配合 %」とか、メーカーの広告にキャッチコピーが 商品の中身が100%純粋な原料で〝効果ありそう〟と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は全く違った〝言葉のトリック〟であることも多いのです。日本の法律ではこのあたりに明確な決まりがないのが実態です。

わかりやすく例えると、こうなります。
お風呂にたっぷりのお水をためて、そこに果汁100%のオレンジジュースを1滴垂らしただけで、育毛業界、化粧品業界では「オレンジ純度100%」と言っても大丈夫なのです。

素の原料が100%であっても、お風呂にたっぷりのお水に果汁100%オレンジジュ ース 滴なら0・01%とかになるんじゃないの?というのがみなさんの通常の感覚で はないかと思いますが、「素の原料が100%」でありさえすれば、それをそのままキャッ チコピーとして使用可能という、不思議な業界です。

ですから広告を鵜吞みにするのではなく、本当に自分に合った育毛方法や育毛剤を選ん で使うことが大切になります。

まとめ

薄毛が目立ってきている方は発毛剤を、髪のボリューム低下や質の向上としては育毛剤がおすすめです。
気になる髪の状態や抜け毛の程度などによって、どちらを使用すべきか判断されると良いでしょう。
女性の薄毛や抜け毛に対してオススメするのは化粧品扱いの養毛剤などが副作用もなく最先端の成分を安心安全に頭皮養毛剤として使用できるので安心です。