10円ハゲと呼ばれる女性の円形脱毛症は男性の円形脱毛症に比べて広範囲に脱毛部分が広がる場合が多いです。
最初は円形や楕円形のポツッとした小さな10円玉の大きさの脱毛から徐々に500円玉くらいの大きさになり、さらに脱毛部分が大きくなり、そのうちにいろいろな箇所に脱毛部分が出来てきて広範囲に脱毛症が進む方が多いのです。
10円ハゲと呼ばれる円形脱毛症とは、異物から体を守る免疫細胞が自分の毛根を異物とみなし、攻撃することで発症する病気です。
毛根が攻撃を受けると炎症が起こり、その部分の毛が抜けます。
そして、攻撃を受けた毛根の周囲にも炎症が広がり、さらに周囲の毛が抜けます。
その際、攻撃を受けた毛根を中心として同心円状に炎症が広がるため、円形に脱毛します。
全てが10円玉の様に真ん丸が丸く脱毛しているわけではなく、楕円（だえん）形や、数カ所の脱毛部が重なって蛇行状に伸びる「蛇行型」、頭髪全体が抜けてしまう「全頭脱毛症」、頭髪のみでなく全身の毛が抜ける「汎発性脱毛症」があります。
多くの10円ハゲは単発型円形脱毛症と呼ばれるもので、小さな円形状の脱毛が一か所に起きるもので、いわゆる「１０円ハゲ」などと呼ばれるものです。しかし、人によっては500円玉くらいの大きさにもなります。
10円ハゲ(円形脱毛症)は早めの対策が必要
10円ハゲ(円形脱毛症)は早めの対策が重要になりますが、現在のところ円形脱毛症の原因は様々ではっきりと解明されていません。
考えられるものとして、「自己免疫疾患」「精神的ストレ ス」「内分泌異常」「自律神経失調」「血管障害」「ウイルス感染」などが挙げられています。
この中で「自己免疫疾患」説は有力で、精神的ストレスは脱毛症の悪化因子の一つになる可能性があります。
初期の円形脱毛症の毛包周囲にはリンパ球が密に浸潤しており、毛包が破綻されることで自己免疫性脱毛が起こるという研究結果もあります。
正常な免疫は、外部からの侵入物(有害な細菌やウイルスや異物)を攻撃することにより、 私達の体を守っています。
自己免疫疾患では、この免疫機能に何らかの異常が生じ、自分 の体の一部を外敵と間違えて攻撃してしまうため、結果として過剰な抜け毛を起こし、円 形脱毛症となってしまうのです。
遺伝によっても円形脱毛症になる場合もあります。
海外の調査では家族に円形脱毛症の患者がいる場合、自身も円形脱毛症を発症する率が高くなるとされています。
自己免疫疾患による10円ハゲを治すには？
自己免疫疾患による脱毛症の場合、体の免疫力を高めるためには、冷えや血行不良は良くありません。
女性は冷え性の方が多いですが、体温の低下は様々な免疫力の衰えに直結しますので、できるだけ体を冷やさないように心がけましょう。
免疫細胞の多くが腸に存在することが最近の研究で明らかになっていますので、お腹を冷やさないようにすることが重要です。
夏でもシャワーだけで済まさずに湯船にゆっくり浸かることも大切ですし、冷たい飲み物で内臓を冷やさないことも必要です。
便秘気味な方は、お腹をマッサージしたり食物繊維をきちんと摂取したりして便秘を改善させることも、腸を活性化させて免疫力をアップさせます。
10円ハゲになったらクリニックに通院すれば治る？
円形脱毛症になってクリニックを受診し、ステロイドの塗り薬を使ったり、ステロイド薬 を注射したり、ステロイドが含まれた飲み薬を使用することが多くあります。
しかし、ク リニックに 1年以上通院されても、円形脱毛症は心のストレス的な要因もあることから治 らない場合も多いです。
また脱毛症の方は、無意識のうちに自分の髪を抜いてしまうことにより「トリコチロマニア」という症状を引き起こす可能性があります。自分では気がつかないため、いきなり髪の毛や眉毛が薄くなって驚きを感じることもあります。
就寝中など無意識に毛を引き抜くのをやめたいのにやめられないことから、自分を制御できないと感じて自己嫌悪に陥ってしまう場合もあります。
クリニックに通院されていても精神的なストレスがさらに脱毛症を悪化させる原因になっている場合には、気分転換など心の精神的バランスを改善する必要があります。
外的な治療と心の内的な治療によってバランスが保たれれば、円形脱毛症は改善されます。少しでも改善されてくると心のバランスも良い方向に向かい、さらなる改善になります。
