産後に抜け毛とフケが多くなるのは何故?改善策にはゴキブリ体操がオススメ

出産後2ヶ月位から増え始める産後抜け毛に悩む人は多くいますが、産後にフケが多く出て困っているママさんも多くいます。
産後に何故?フケが増えるのか?
抜け毛が多くなるのか?
今回は産後の抜け毛とフケの関係について発毛診断士であり著者の発毛診断士の久田篤が解説します。

産後にフケが増える原因

産後にフケが増える原因は女性ホルモンであるエストロゲンの減少による影響でフケが増えます。女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの二種類があり、中でもエストロゲンは女性らしい身体を作る上で重要なはたらきがあります。
エストロゲンは年齢と共に減少していきエストロゲンが減少する事により更年期障害など、身体に様々な影響を与えます。
出産後に抜け毛やフケが増えるのも、このエストロゲンの減少による影響が多いのです。
また、出産後には育児による忙しさから栄養不足・睡眠不足になることが多く、産後抜け毛が起こりやすいと言えます。
エストロゲンの減少により産後は頭皮が乾燥しやすく、頭部全体の栄養状態も下がりがちです。
頭皮が乾燥すると人間の身体は頭皮を乾燥から守る為に皮脂をどんどん分泌します。本来、皮脂は悪影響を及ぼすわけではなく頭皮を細菌などから守るバリアとなる訳ですが、エストロゲンの減少により頭皮が乾燥することにより皮脂が過剰に分泌されやすくなります。
皮脂が過剰に分泌される事により、頭皮マラセチア菌が増殖することにより頭皮トラブルとなりフケや痒みを発生させます。

フケが増える原因はシャンプーにもある。産後は頭皮に優しいシャンプーがオススメ。

 

フケが増えてきたから、頭皮が皮脂によりベタベタするからと洗浄力の強いシャンプーで洗髪すると皮脂は更に増えてしまう事をご存知でしたか?
洗浄力の強いシャンプーで頭皮を洗えば皮脂を取り除けると思われがちですが、かえって逆効果になりかねません。
それは、洗浄力の強いシャンプーで頭皮を洗うと本来、頭皮の栄養やバリアゾーンとして頭皮環境を守っていた必要な皮脂まで全て取り除いてしまいます。
それによって、身体は防衛本能により頭皮を守る事により皮脂分泌を増やします。
洗浄力の強いシャンプーで洗髪し続ける事により頭皮は弱り、乾燥しやすくなり皮脂はどんどん増えてしまいます。
洗浄力の強いシャンプーは辞めて洗髪力の優しいシャンプーに変える事をオススメします。

頭皮トラブルにはどのシャンプーがオススメ?

シャンプー成分は代表的なものとして、高級アルコール系、石鹼系、アミノ酸系に分類 されます。
詳しく解説していきます。

高級アルコール系

高級アルコール系の代表的な成分は「ラウリル(ラウレス)硫酸ナトリウム(Na)」です。他にも「ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム」、「オレフィン」( 4、 6)、「スルホン酸ナトリウム」も高級アルコール系成分になります。
お使いのシャンプーボトルの成分表を確認してみてください。成分表示の順番は成分配 合量の多い順番に記載されています。成分表示の「水」の次に「ラウリル硫酸ナトリウム」
「ラウレス硫酸ナトリウム」と記載されているシャンプーは多いです。 この高級アルコール系シャンプー成分は、ボディーソープや台所洗剤にも含まれる「界面活性剤」といわれるもので、人体には良くありません。
頭皮が敏感な時に洗浄力の強いシャンプーでの洗髪はフケや抜け毛を増やす場合もあるので洗浄力の優しいシャンプーをオススメします。
界面活性剤とは、普通だと混ざることがない水と油を混ぜることができる成分です。
これによって油分や皮脂汚れを除去できるようになります。泡立つシャンプーにはこの界面 活性剤が入っていますが、種類によっては頭皮には強すぎて、〝トラブル頭皮〟にもなりや すいのです。
ドラッグストアで販売されているシャンプーの多くは、この界面活性剤を配合した高級アルコール系シャンプーです。値段も手頃で泡立ちも良いのですが、このラウリル(ラウレス)硫酸ナトリウム等は車のエンジンの洗浄にも使われる、非常に洗浄力の強い成分なのです。洗浄力が強いので、頭皮の皮脂を根こそぎ取り除きます。
しかも保湿力が弱いので頭皮が乾燥しやすいということになりやすい成分です。

頭皮トラブルでお悩みの方や抜け毛に悩む方にはオススメしません

石鹼系

石鹼系シャンプーの代表的な成分は、「ラウリル(ラウレス)カルボン酸ナトリウム」、 「ラウリン酸ナトリウム」、「オレイン酸ナトリウム」、「ステアリン酸ナトリウム」などです。
これらは、高級アルコール系シャンプー成分よりも低刺激ですが、高級アルコール系ほどではないにしても、やはりその洗浄力によって皮脂を落としてしまいます。髪がきしみますが、整髪料を落としてくれるので、整髪料を多く使う方には適しています。

アミノ酸系

アミノ酸系シャンプーは低刺激で適度な保湿力もあり、頭皮や髪がデリケートな方やト ラブル頭皮の方に向いています。
代表的なアミノ酸系シャンプー成分には「ココイルメチルタウリンナトリウム」、「ラウ ロイルメチルタウリンナトリウム」、「ラウロイルメチルアラニンナトリウム」などがあります。
多少洗い上がりがベタつく感じはありますが、すすぎをしっかりと行えば、髪や頭皮に心配な方には向いています。
いくら素晴らしい育毛剤や育毛成分を使用していても、この洗髪に使うシャンプーが頭皮と合わないと、マイナスの作用にしかならないと知っておいてください。

フケや抜け毛はシャンプーの仕方でも大きく変わります。

「顔のお肌は優しく洗い、頭皮はゴシゴシ洗い」は大間違いだというお話です。
頭皮の毛穴の数はなんと4万個もあります。これは顔の毛穴の5倍です。頭皮はお肌より毛穴が多いので、本来は顔のお肌よりも毛穴の数が多い頭皮の方をしっかりケアすべきなのです。
頭皮より顔のお肌の方を優しくケアしていませんか?
お顔は刺激のない優しい泡で優しく包み込むように洗っていても、洗髪する時はシャンプーをべっとり付けて洗っていませんか?
〝頭皮と髪は汗で汚れているから…〟と、洗い上がり重視のシャンプー選びをしていませんか?
想像してみてください。お肌も頭皮も同じ皮膚でつながっています。しかも、頭皮はお肌より敏感です。お肌は爪を立てて洗顔しませんね。頭皮も爪を立てて洗うのは論外です。
多くの方は、爪を立てて洗わなくても、指の腹でしっかり洗っていれば正解と思われていますが、実はこれでも抜け毛や薄毛に悩まれている方の頭皮にとっては、大きな負担になります。
頭皮は、ゆっくり優しく揉み込むように洗うと、汚れや余分な皮脂を充分取り除くことができ、しかも頭皮をほぐして抜け毛の防止にもなります。決してゴシゴシとこする必要はないのです。
ゴシゴシやると、髪と髪に摩擦が生じ、絡み、さらに抜け毛が増えてしまうことにもなります。指に絡みついた抜け毛でさらに気分も落ち込むということになりかねません。

頭皮トラブルによりフケや抜け毛を増やす原因になりますので洗髪する際は擦るのではなく、優しく指を添えてゆっくり揉み込むように洗うのをオススメします。

90%以上の人は、シャンプー時にきちんと「すすぎ」ができていません。「すすぎ」をきちんとすることにより、抜け毛予防になります。

シャンプーを洗い流す際の「すすぎ」がきちんとできておらず、それが原因で抜け毛を招くことは多いです。
美容室でシャンプーされる時、ある程度時間をかけてすすぎますよね。それはシャンプー剤の有害な成分を洗い流し、髪や頭皮に付着した汚れをきちんと落として清潔な状態にするためです。でも、自宅のお風呂での洗髪の時のすすぎは、ついついいい加減になりがちです。
泡が落ちたからOKという訳ではありません。 〝シャンプーで汚れが全て落ちたから大丈夫〟という考えをやめて、〝すすぎで汚れを落とす〟という意識に切り替えましょう。

すすぎは、最低でも3分はゆっくり時間をかけてください。

産後のヘアサイクルの乱れによる影響

妊娠中は髪の毛を維持するのに役立つ女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌が 盛んになっているため、髪のヘアサイクル上、本来抜けるはずであった髪の毛が抜けにくくなっています。通常、 髪の毛は成長期、退行期、休止期といた髪のサイクルで生え変わっていますが、出産を終えてエストロゲンの 量が急激に減少することで、通常のヘアサイクルで抜ける時期であったはずの髪の毛が妊娠中は抜けなく、出産後にエストロゲンの減少により一気に抜けてしまうのです。
それが産後の抜け毛になります。

ヘアサイクルとは?


ヘアサイクルとは髪が生えてから抜けるまでのサイクルのことをいいますが、頭髪は2~6年で生えては抜けてを繰り返します。眉毛は3~6カ月のサイクルになります。
このヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3段階に分かれていて、成長期は髪を作る毛母細胞が細胞分裂して新しい髪を作る成長期です。
生え始めは弱々しい軟毛ですが、徐々に成長して太くしっかりした髪の毛に成長します。次に退行期になると、成長期だった毛母細胞の活動が減り、髪の毛の成長が徐々になくなります。その期間は約2~3週間になります。髪が自然に抜ける準備期間ですね。
そして最後は休止期となり、この休止期に入った毛は徐々に抜けます。

抜け毛とは、この休止期の期間になった毛が抜けたものですが、その抜けた後には毛母細胞が活発に細胞分裂をし始めていて新しい毛を生やす、というサイクルを繰り返します。これが健康な髪のヘアサイクルになります。
健康なときのヘアサイクルは90%が成長期、10%が休止期という具合に繰り返されているので、1日に100本毛が抜けても、髪はフサフサに維持できています。
しかし──
このヘアサイクルが乱れると、成長期だった期間は短くなり、髪の毛がきちんと成長できないまま抜けてしまいます。
全てのヘアサイクルの期間が短縮されてしまい、成長期、退行期、休止期の期間が早まり、正常な髪の抜け毛とはほど遠い、細く短い毛が抜けるのが目立ちます。
髪を作るスケジュールが短いので、長距離マラソンの選手が短距離走で終わってしまうように、充分に成長できないままゴールして抜け落ちます。これが男性のAGA(男性型 脱毛症)です。ヘアサイクルの乱れが薄毛に大きく関係しているのです。
女性の薄毛にももちろんヘアサイクルは関係しています。サイクルが乱れれば当然髪は弱々しく、切れ毛や抜け毛が目立つようになります。ただ女性の場合には、そのサイクルの乱れを早めるのに食事やストレス、睡眠、運動など生活スタイルも大きく関係してくることが多いです。

産後の抜け毛のピークはどれくらい続く?

人によって個人差はありますが、産後2~6カ月頃が抜け毛のピークとなります。産後の抜け毛は必ずおこる事ではなく、全く抜け毛が増えない人もいます。産後に抜け毛が増えるのは自分だけではないことや、事前に知識を身に着けていれば不安になることもありません。
1年〜2年くらいで自然にヘアサイクルは正常なヘアサイクルに戻りますので抜け毛が気にならなくなります。
抜け毛が気になり、ストレスを抱えてしまうのもよくないので、抜け毛が落ち着くのを待って食生活、睡眠をきちんと取るようにしましょう。

産後のフケ、抜け毛を改善する方法

産後のフケや抜け毛の悩みから解放されるには先のシャンプー選びや洗髪方法を変える事も大切になりますが、生活スタイルや毎日の食生活も大きく影響します。
産後に大量のフケが出る原因や抜け毛が増える原因は女性ホルモンの低下で妊娠中は通常より多くの女性ホルモンが分泌されますが、出産後はその量がかなり減りますので、落差で身体に不調が現われることがあります。
時間が経てば少しずつフケの症状も落ち着いてきますが、できるだけ早く抑えたいですよね。そこで食事、睡眠、ストレッチ、育児ストレスを減らすなど、日常生活の細かい点に気を配り、少しでも早い症状の回復をめざしましょう。産後のフケや抜け毛に効果的な栄養素と、それを多く含む食べ物をご紹介します。毎日の食事に積極的に取り入れてください。

寝る前におすすめ! ゴキブリ育毛体操

この「ゴキブリ育毛体操」毎日実践をオススメする育毛体操です。
名前を聞くと気味が悪いですが、ふくらはぎや手足がダルい時やむくみが気になる時は 一瞬で改善して血流を促進する、すごい体操です。
就寝しようと思っても何だかふくらはぎや足の疲れが取れず、なかなか寝つけない、翌朝もむくみやすい、などの経験はないでしょうか?
慣れない育児やストレスなどで血流が停滞し、悪くなりやすいので、体全身や頭皮への血流も悪くなりがちになります。
また男女関係なく、仕事などでの座りっぱなし・立ちっぱなしの状態が続くこともむくみ の要因になります。
座りっぱなしのデスクワークをしている場合には、太ももからひざあ たりまでが圧迫された状態になります。
圧迫されることによって血液が悪くなるので、余計な水分や老廃物がリンパ管や血管に回収されにくくなります。排出されずにたまっていく一方になるので、むくみが起こります。

やり方は簡単です。仰向けになって両手足をバタバタと小刻みに動かします。
これを1日 回 2分~ 3分するだけで、非常に簡単に足の疲れが取れて、むくみやダル さの解消、血流アップ、老廃物デトックスの効果があります。
これは、仰向けになって行うことがポイントです。仰向けになることによって、自然と 手足の血液が心臓に戻っていきます。そして手足を小刻みに動かすことで、毛細血管から の血液循環を促すことができ、より血液が心臓に戻りやすくなります。
血液の流れがスム ーズになることで余分な水分や老廃物などがリンパ管に運ばれやすくなるのでデトックス 効果も生じ、血液が頭皮の毛細血管までスムーズに行き渡ることによって髪を作る栄養素 がきちんと運ばれ、髪の育成や抜け毛防止につながるのです。
一日の緊張をほぐすこともできますので、睡眠の質を高めるのにも効果的です。

是非、実践してみて下さい。

まとめ

産後の抜け毛やフケは1年〜2年くらいで自然に治りますが出来る事なら早く産後の抜け毛を治したいですね。
産後の抜け毛やフケは今までのシャンプー剤や洗髪の仕方でも大きく影響しますので頭皮に優しいシャンプー剤選びや洗髪方法を見直してみる事が大切です。
毎日の食生活や睡眠にも気をつけてみて下さい。
女性に多い血流不足による抜け毛予防の為にもストレッチや体操をすることをオススメします。