産後の抜け毛はサプリメントだけで治るのは嘘?

産後の抜け毛には栄養バランスが大切ですが育児の忙しさで普段の食生活において栄養バランスが不足しがちになります。
その際に栄養補助としてサプリメントを摂取するママさんも多いようです。しかし、サプリメントを摂取さえすれば普段の食生活が乱れていても大丈夫という事ではありません。
また、栄養化の高いサプリメントを摂取すれば産後の抜け毛が治るというわけではありません。
今回は産後の抜け毛とサプリメント作用について発毛診断士の久田篤が解説していきます。

サプリメントの過剰摂取は逆効果になる可能性もある!

髪のための栄養として、サプリメントをたくさん摂取されて栄養を補っている方は多いです。サプリメントによる栄養補助は、足りないものを補えば髪にとって不足しているものも補えるというこで、確かに理にかなってはいます。しかし、サプリメントの〝取りすぎ〟は大丈夫でしょうか? 疑問に感じます。
サプリメントは、あくまで補助ということを心がけてください。

世の中にサプリメントはたくさんありますが、メーカーにより様々なキャッチコピーがあります。

例えばある商品のパッケージに「運動で体脂肪を燃やす」とあれば、消費者は運動する前にこの商品を飲めば体脂肪が燃えて減ると思いがちですが、商品には「この商品を飲んで運動すれば体脂肪が燃える」とは一切記載されていなかったり。 髪のサプリメントも同じような状況です。「髪に○○○○!」とメーカーのキャッチコピーがあれば、私達は髪が生えてくるイメージを抱きがちですが、「髪が生える」や「髪に効果がある」とは一切記載されていません。

サプリメントは医薬品ではなく栄養補助食品の分類になりますのでサプリメントを摂取たからといって髪が生えてることはありません。
医薬部外品にも分類されていませんので育毛という表示も禁止されています。
サプリメントで髪が生える広告表現は違法となっていますので過剰な広告には注意する必要があります。

「栄養の桶理論」をご存知でしょうか?

桶理論とは栄養学でよく言われるものですが、必要なものが「一つでも」欠けると、桶の板が 1枚だけ短い状態のよに、水がその短い板のところまでしか入らないという例えです。
他の栄養素がどれだけ多くても、短い板の上端から水があふれるので、体にとっては全ての栄養素が「足りていない栄養素」のレベルまでしか満たされていないことになり、細胞の質や働きが落ちるのです。
つまり健康のためには、「特定の栄養素を大量に摂る」 ことではなく、必須栄養素が「まんべんなくバランス良 く」摂れていること、言い換えれば「不足している栄養 素がない」ことのほうが大事なのです。
何が不足しているか/何を摂りすぎかは、人それぞれ違います。自分の不足している栄養素を上手く補ったり、逆に過剰に摂取している栄養素は控えたりすることでバランスを整え、結果として桶の短い板のところから「水があふれ落ちる」のを防ぎます。
そうしたところで初めて、補えていない栄養を補助する栄養補助食品としてのサプリメントが役立つ訳です。
育毛に良いというイメージだけでサプリメントを過剰摂取することは、逆効果になる可能性があります。サプリメントの栄養は、腸管から吸収されますが、必要量を超える栄養分は肝臓や腎臓で解毒され、尿として体外に排出されてしまいます。
つまり過剰に摂取した分、「桶からあふれ落ちた分」を処理するために、せっせと解毒処 理に働く肝臓や腎臓に、より大きな負担がかかってしまうのです。
サプリメントに発毛効果はありません。
医薬部外品にも分類されていませんので育毛という表示も禁止されています。
サプリメントは医薬品ではありませんので発毛効果はありませんので過剰な摂取はおすすめしません。

サプリメント単体では薄毛の改善は期待出来ないという事を覚えておきましょう。

「サプリを飲めば髪の毛が生えてくる」というのは誤解です。今、生えている髪の毛を健康的に維持して髪質を良くする効果があるだけで、新しい髪の毛を生やす効果はありません。

サプリメント単体では薄毛の改善は期待出来ないという事を覚えておきましょう。
サプリメントはあくまで栄養補助食品であり、普段の食生活において不足した栄養を補助するのがプリメントの役割になります。ですから、髪にとっても体にとっても、日常の食事が主な栄養源となります。
髪の毛の生成、成長に欠かせない栄養素(タンパク質、ミネラル、ビタミン類)を中心に、バランスの良い食事を心掛けましょう。

サプリメントの過剰摂取により健康障害もあるので注意が必要

健康食品やサプリメントによる肝障害も問題になっています。国内では 2002年に中国製のダイエット用健康食品を使用した人の中から重篤な肝障害による死亡例が報告され、その危険性が知られるようになりました。
医薬品や薬物を服用した後に肝機能が低下し、様々な症状を引き起こす薬物性肝障害は以前からありますが、最近では一般に入手しやすい健康食品やサプリメントが原因となるケースも報告されているようです。
過剰摂取で肝臓を休みなく働かせれば、他の解毒作用にも支障が出てきます。そうなれば髪や頭皮にとって必要な栄養分も行き渡りにくい状態になり、解毒もしにくくなり、つまりは逆効果になります。
サプリメントはあくまで栄養補助食品であって髪をフサフサにするものではありません。
それよりも毎日の食生活を、バランスの良いものに見直すことが大切です。

産後の抜け毛に効果的な食生活について詳しく解説しています。

産後の抜け毛にオススメなサプリメントは?

栄養サプリメントはドラッグストアやコンビニなどで販売されて沢山の種類がありますが、お勧めは多くの栄養素がバランスよく摂れるマルチビタミンとマルチミネラルのサプリメントがオススメです。
髪はビタミンやミネラルは多くの栄養素が相互に影響し合って髪の育成に作用するので、特定の種類を多く摂るのではなく、バランスよく摂取するのが効果的です。
その他に栄養面ではさらに、女性ホルモン様作用を持つ大豆イソフラボンを含む大豆製品を多く摂るように心がけると良いでしょう。
大豆イソフラボンは女性ホルモンに良く似た成分として注目されています。出産による影響でホルモンバランスが乱れて抜け毛や薄毛になる原因にもなりますのでホルモンバランスを整える為に大豆イソフラボンを摂取することをオススメします。

サプリメントで髪に育成効果を出すには正しい摂取方法をする事が大切です。

サプリメントが髪や頭皮の育成に悪影響を与えるわけではありません。
サプリメントの過剰摂取でなく、正しい摂取量をきちんと守る事により育児や家事の忙しさでなかなか普段の食生活において栄養不足になりがちな人にはサプリメントは有効です。
正しい摂取方法を理解することにより、頭皮や髪に栄養補助出来て、髪質や抜け毛予防の改善効果も期待出来ます。

正しい摂取方法を詳しく解説します。

サプリメントの摂取量を守りましょう。

製品ごとに指定されている目安量は必ず守りましょう。1回の摂取量や1日の摂取量を沢山飲んだからといって、サプリメントの効果が高まるわけではありません。先程の章にも説明した桶理論のように過剰摂取しても全ての栄養バランスが整わないとかえって無駄になってしまいます。
また、過剰に摂取すると逆効果になる可能性があります。例えば、髪に良いとされている亜鉛を過剰摂取すると胃の不調を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。各メーカーの服用量を守りましょう。

サプリメントを摂取するタイミングは?

サプリメントは医薬品ではない為、薬のような食前に服用や、食後に服用といった服用する時間の決まりはありません。いつ摂取しても大丈夫です。
サプリメントは薬ではないので服薬、服用とは言わないのもサプリメントは補助食品という事が理解出来るかと思います。
服薬、服用は、薬剤師や医師の指導のもと、正しく薬をのむという意味で主に使われる言葉です。
しかし、消化吸収の観点からいうと、食後にサプリメントを飲むのがおすすめです。

サプリメントは白湯やお水で飲む。

サプリメントの栄養素は腸管から身体に吸収されます。カフェインが含まれる飲みもの(コーヒーや紅茶)は、亜鉛や鉄分の吸収を阻害してしまいます。
サプリを飲む際は、白湯(さゆ)もしくはお水で飲むようにしましょう。

サプリメントと薬の併用は医師に相談しましょう。

日常的にお薬を服用している方はサプリメントの摂取は注意しましょう。
相互作用により、不調や体に良くない影響が出る可能性があります。薬によっては飲むサプリメントが合わない場合もありますので、医師や薬剤師の方に現在飲んでいるサプリメントを伝えて、飲み合わせが問題ないかどうか確認してもらうとベストです。

まとめ

サプリメントは医薬品、医薬部外品の分類ではなく栄養補助食品という事を理解しましょう。
サプリメントだけで髪が生える事はありませんので紛らわしい誇大宣伝の商品の購入は注意しましょう。
あくまで栄養を補助するための食品という事を覚えておきましょう。
サプリメントだけに頼るのではなく、普段の食生活を見直してバランス良く食べる事が髪や体には最適です。