40代に急増する女性の薄毛。髪密度が減少するのはなぜ?

女性でも薄毛の印象を与えてしまう頭髪密度の減少ですが、20代、30代は髪はイキイキしてハリがあったのに40代になると髪のボリュームがなくなりペシャンコ髪に。こういった症状で悩む女性が急増しています。
どういった原因によるものなのでしょうか?
発毛診断士であり著者の久田篤が詳しく解説していきます。

男性は20代、女性は30代が髪密度のピーク

男性は20代が髪の太さやボリュームがピークとなり、女性は30代が髪の太さやボリュームがピークとなります。
ピークが過ぎ去ると髪の太さやボリュームは落ちてきますので、このピークを超えるまでに何かしらの髪と頭皮のケアをする事により、その先のピークアウトした髪の維持を伸ばす事が出来る予防が大切となります。

男性と女性では抜け毛の本数が違う

男性は早くから薄毛になると目立ちますが、女性は薄毛になり始めても目立ちにくいで す。実は男性と女性では、髪の抜け方が違うからです。
髪は1つの毛穴から2~3本生えていますが、男性の場合は脱毛する際に、毛穴に生えている毛2~3本が「一気に」抜けます。これに対して女性の場合は、1つの毛穴から髪が2~3本生えている中で「 1本ずつ」抜けていきます。
ですから男性は薄毛が目立つ年代が早く、女性は 40代になってから初めて事の重大さに気がつきます。

「あれっ? 最近、なんだか髪が薄くなってきた?」とビックリされる女性は多いです。
その時に多くの女性(男性もそうですが)は、髪のボリュームを出すためにパーマをかけます。ヘアデザインのためでなく髪のボリューム感を出すためのパーマ。ボリュームを出すために仕方なくかけるパーマ。

しかし、髪や頭皮が薄毛になり始めた状態でパーマをかけてもすぐにボリュームは落ちてしまい、さらに薬剤などで髪や頭皮は傷みます。男性でも女性も現代病とも言われる薄毛。 「年を取ったら薄毛は仕方がない」と思われていた時代は変わりました。
生活スタイルの変化、食生活、シャンプー剤などの化学成分などが原因となって、昔に比べると明らかに、薄毛化は若年層まで進んでいます。
お肌は若くピチピチなのに、髪は細く老けている状態。これは年を取ったから、老化現象だからという説明は成り立ちません。
髪の老化は、頭皮の老化が原因です。特にシャンプー剤、カラー剤、パーマ液など化学成分は頭皮内部にダメージを与えます。
化学成分や食生活の添加物や睡眠不足などにより頭皮が衰えれば、綺麗な髪は生えませんし、切れ毛になりやすい状態になります。
逆に頭皮が活性化すれば、綺麗な髪は生えてきます。

また男性においては、頭皮の老化はさらなるAGA(男性型脱毛症)の進行を早めます。

わかりやすく例えて説明しましょう。
若いうち20代のお肌のターンオーバーは 28日周期です。 28日周期で細胞が新しく生まれ変わり、お肌を若々しく維持し成長します。
しかし、 30歳を境にお肌のターンオーバーは年々長期化していきます。これがいわゆる老化現象の始まりで、シミやシワ、たるみが出てきます。
そうならないためにお肌は洗顔や化粧水などで毎日ケアします。
40歳になるとターンオーバーは 55日にまで長期化し、細胞の数も減少し、さらにシミやシワ、たるみが増えます。
60歳になるとお肌のターンオーバーは100日以上とさらに長期化し、細胞の数もいっそう減少します。男性の多くは諦めますが、女性の多くはお肌には必死になります。

では、頭皮はどうでしょうか? 頭皮もお肌と同じようにケアしていかないと、老化現象がスタートします。
頭皮は、お肌よりも敏感で繊細なのです。
適切なケアをしない状態が長く続くと、老化と髪の薄毛につながります。

簡単に出来るケア方法。まず実践してみて!

頭皮を「ゴシゴシ」洗ってはいけません。
まず、「顔のお肌は優しく洗い、頭皮はゴシゴシ洗い」は大間違いだというお話です。

頭皮の毛穴の数はなんと4万個もあります。これは顔の毛穴の5倍です。
頭皮はお肌より毛穴が多いので、本来は顔のお肌よりも毛穴の数が多い頭皮の方をしっかりケアすべきなのです。

でもあなたは、頭皮より顔のお肌の方を優しくケアしていませんか? お顔は刺激のない優しい泡で優しく包み込むように洗っていても、洗髪する時はシャンプーをべっとり付けていませんか?

〝頭皮と髪は汗で汚れているから…〟と、洗い上がり重視のシャンプー選びをしていませ んか?

想像してみてください。
お肌も頭皮も同じ皮膚でつながっています。しかも、頭皮はお肌より敏感です。お肌は爪を立てて洗顔しませんね。
頭皮も爪を立てて洗うのは論外です。

多くの方は、爪を立てて洗わなくても、指の腹でしっかり洗っていれば正解と思われていますが、実はこれでも抜け毛や薄毛に悩まれている方の頭皮にとっては、大きな負担になります。
頭皮は、ゆっくり優しく揉み込むように洗うと、汚れや余分な皮脂を充分取り除くことができ、しかも頭皮をほぐして抜け毛の防止にもなります。
決してゴシゴシとこする必要はないのです。

ゴシゴシやると、髪と髪に摩擦が生じ、絡み、さらに抜け毛が増えてしまうことにもなります。指に絡みついた抜け毛でさらに気分も落ち込むということになりかねません。
また、せっかく生えた新生毛までがゴシゴシ洗うことにより抜けてしまいます。
優しく頭皮を揉み込むように洗髪の仕方を変えるだけで抜け毛は減り、頭皮のマッサージ効果にもなりますので是非、実践してみてください。

シャンプー剤をつけるのは襟足から

洗髪の時、シャンプー剤を直接頭皮に付けて洗うのは絶対にやめましょう。

頭皮で薄毛になりやすい部分は前頭部から頭頂部です。そこに刺激の強いシャンプー剤を付けるのは、頭皮に毒素を与えて弱らせているのと同じです。
シャンプー剤に含まれる泡立ち成分は界面活性剤で、頭皮に必要な潤いも取り去ってしまいます。
シャンプー剤は、直接頭皮に付けずに手のひらでよく泡立ててから襟足に付けながら 徐々に頭全体に行き渡らせましょう。
前頭部からではなく、薄毛の影響をあまり受けない襟足から、徐々に頭全体に行き渡らせるようにシャンプー剤を付けてください。

抜け毛予防の第一歩は「3分のすすぎ」

この重要な事実をまず知ってください。
90%以上の人は、シャンプー時にきちんと「すすぎ」ができていません。
「すすぎ」をきちんとすることにより、抜け毛予防になります。

シャンプーを洗い流す際の「すすぎ」がきちんとできておらず、それが原因で抜け毛を招くことは多いです。
美容室でシャンプーされる時、ある程度時間をかけてすすぎますよね。それはシャンプー剤の有害な成分を洗い流し、髪や頭皮に付着した汚れをきちんと落として清潔な状態にするためです。
でも、自宅のお風呂での洗髪の時のすすぎは、ついついいい加減になりがちです。
泡が落ちたからOKという訳ではありません。 〝シャンプーで汚れが全て落ちたから大丈夫〟という考えをやめて、〝すすぎで汚れを落とす〟という意識に切り替えましょう。

すすぎは、最低でも3分はゆっくり時間をかけてください。

リンスは「塗る」のではなく「浸す」

髪がパサつくからといって、トリートメントやリンスをついつい髪や頭皮にべったり付けてしまうと、毛穴もリンス成分で埋まってしまいがちになり、髪や頭皮にとって悪循環です。

そこで、自宅で簡単にできて髪が劇的に綺麗になるひと手間「チェンジリンス」をしましょう。
これにより髪はしっとりして、手触りやツヤ感も良くなります。ぜひ、毎日のケ アに取り入れてください。

やり方は簡単です。

チェンジリンスのやり方。

1 いつものように髪(毛先)に揉み込むようにトリートメントやリンスを付ける

2 次に洗面器にお湯をためて、トリートメントが付いた髪を入れる

3 お湯に浸からない部分の髪は、手でトリートメントが溶けたお湯をかけながら髪の全体に手ぐしで優しく行き渡らせるようにする

4 シャワーのお湯で流して完了

なぜこれだけで効果があるのでしょうか?
これは乳化作用によるものです。「乳化」とは混ざるという意味ですが、お湯に溶けたト リートメント成分は髪に直接トリートメントを塗るよりも髪に成分が吸収されやすく、 本 本に行き渡りやすいという利点があります。しかも頭皮に負担をかけません。

ペペロンチーノを作ったことがある方なら、パスタの茹で汁でこの「乳化」の大切さが分かるのではないでしょうか。パスタに味を絡みやすくしたり、舌触りに変化を加えるため。ソースを乳化させると極端な水っぽさや油っぽさがなくなり、風味や香りが引き立ち、そしてまろやかな口当たりに仕上がります。

ペペロンチーノのソースがパスタ1本1本に絡み美味しさがアップする乳化作用。これと同様に「チェンジリンス」も、頭皮に負担をかけずに乳化作用によってリンスが髪1本、1本に行き渡り、髪の質感やツヤがアップするのです。

食べ物も、髪も、ひと手間加えるだけで劇的にプラスに変わります。

まとめ

いかがでしたか?大切な事は予防です。
髪のピークを迎える前にきちんとした髪と頭皮の予防ケアをしておく事により40代になって髪のボリューム不足や抜け毛に悩む事が無くなります。早めのケアが大切です。

詳しくはコチラの本も是非、ご覧下さい。

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