産後の抜け毛対策で効果的な食べ物は?

産後の抜け毛で悩む女性は多くいます。妊娠中から産後にかけて髪のパサつか、枝毛、切れ毛、抜け毛などの髪のダメージが目立つ事はありますが一時的なダメージがほとんどのようです。また、妊娠中には新陳代謝がよくなるのでフケや頭皮の痒みが出たりする場合もあります。
産後の髪を健康的に保ち、産後の抜け毛の悩みから早く改善するには栄養バランスは必須です。
今回は産後に必要な食生活や栄養について発毛診断士の久田が解説します。

産後の抜け毛に特に必要な栄養素とは?

 髪に必要な代表的な栄養素はコチラになります。
髪の毛の99%はタンパク質の1種である「ケラチン」が構成しています。ケラチンが不足すると髪のウロコ状のキューティクルが剥がれる原因となり、髪のパサつきや枝毛、切れ毛にもつながります。ケラチンを構成するのは18種類アミノ酸であり、その中でも占める割合が最も高いのが「シスチン」となります。システインとも呼ばれています。
シスチンには髪や爪、肌を健康に保つ効果があり、L-シスチンに含まれるイオウは、皮膚、髪、爪をつくる非常に丈夫なたんぱく質の成分となります。皮膚を強くし、髪にコシを与えてくれるほか、爪を強くすることなどに効果があります。

その他にL-シスチンには、銅などの有毒金属や喫煙、飲酒などによって生まれる活性酸素から、体を守る働きがあります。体内で代謝されるとイオウを出し、有害な物質と反応して解毒作用が働き、体外へ排出させる効果があります。
シスチンを多く含む食材は牛肉、牛乳、鮭などに含まれていますのでバランス良く摂取する事をオススメします。

亜鉛は髪の生成に必要

亜鉛にはアミノ酸をケラチンに換える働きがある。不足すると細胞の代謝が低下して、その結果髪が生成しにくくなります。また、アルコールの摂取なより亜鉛は排出されるので普段、飲酒をされる方には亜鉛の摂取は必要です。
亜鉛の摂取も髪には必要になります。

亜鉛が多く含まれる食材はコチラになります。
牡蠣、豚レバー、赤身牛肉、小麦胚芽、油揚げ、カシューナッツ、卵などに多く含まれています。

髪に大切なビタミン摂取は必要不可欠

髪の毛は血液から栄養を摂っています。髪を綺麗な状態を保つのは血液がきれいな状態が好ましいです。
ビタミンAを多く含む緑黄色野菜やビタミンEを多く含む胚芽や玄米、ゴマやナッツ類もオススメです。またビタミンBは新陳代謝を良くして、髪の抜け毛予防の効果もあります。
他にもビタミン類にはこの様な作用もありますので、毎日バランスよく摂取する事をオススメします。

ビタミンA

皮膚と粘膜の健康を維持する働きがあり、頭皮環境を整えます。
レバー、卵黄、ニンジン、ほうれん草などに多く含まれています。

ビタミンB2

過剰な皮脂の分泌を抑え、体内細胞の再生を促進してくれます。
チーズ、乳製品、卵、魚介類、肉類に多く含まれます。


 

ビタミンB6

皮脂の分泌を抑え、摂取したタンパク質(アミノ酸)の吸収を促します。
マグロ赤身、鶏レバー、牛レバー、ささみ、カツオなどに多く含まれます。

ビタミンC

細胞を活性化させ、炎症を抑える作用もある。ミネラルの吸収を高め、コラーゲンの生成を助けます。
柑橘類、アセロラ、レモン、牡蠣、赤ピーマン、ブロッコリーに多く含まれます。

ビタミンE

血管拡張作用があり、血流が良くなり頭皮に栄養が行きやすくします。
ナッツ類、ほうれん草、豆乳などに多く含まれます。

ヨードなどのミネラルは髪の発育に必要

ミネラルは体内の代謝を活発にして、髪や皮膚を健康にする働きがある。不足すると毛母細胞が成長しないとされています。ミネラル分が多くあるヨードは髪の毛の発育を促します。ヨードが多く含まれる食材はワカメや昆布になります。
ワカメや昆布をたくさん食べると髪に良いと言われる由縁はヨードやミネラルを多く含む事から髪の発育には効果的なようです。

イソフラボンはホルモンバランスの改善に必要です

産後はホルモンバランスが崩れやすい時でもあります。ホルモンバランスが乱れる事により抜け毛や産後の薄毛を長引かせる事の原因にもなります。
ホルモンバランスを整える事は大切です。
イソフラボンには女性ホルモンと似た働きがあり、薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(男性ホルモンの1種)の生成を抑える作用があります。
大豆などに含まれる大豆イソフラボンには女性ホルモンと良く似た成分になりますので大豆を主成分とした豆乳や納豆を摂る事は非常にオススメします。

カプサイシンは血行促進に効果的

血行が促進されて、頭皮に栄養が行きやすくなります。カプサイシンは末梢血管まで血流を良くしてくれる働きがあるので、身体を温めることができ冷え性の改善が期待できます。 新陳代謝が活発になることで血行が促進され老廃物の排出を促すことにより頭皮環境も良くします。
カプサイシンは唐辛子などに多く含まれます。

コラーゲンは髪のツヤやハリを与えます。

美肌効果のほか、髪の毛に潤いやツヤやハリを与えます。コラーゲンは一度、体内で体内で分解されて再合成されます。
その際にビタミンCが必要になりますのでビタミンCの摂取も必要になります。
コラーゲンを多く含む食材は山芋や納豆、長芋、オクラを食べる事をオススメします。 

森永乳業 妊娠育児情報サイトはぐくみより参照

シスチンの過剰摂取は注意が必要です。

いくら髪のためとはいえ、シスチンんの過剰摂取には注意しましょう。
L-シスチンの過剰症と欠乏症について
L-シスチンを過剰に摂取すると、インスリンの働きを阻害し、糖尿病で血糖制御を悪化させる可能性があります。また、尿へL-シスチンが多く排泄されると、膀胱結石の原因となることがあります。
一方、L-シスチンに含まれるイオウは、皮膚、髪、爪をつくる非常に丈夫なたんぱく質の成分となり皮膚を強くし、髪や爪を健康に保ちます。そのため、L-シスチンが不足すると、皮膚炎やシミの原因となるほか、爪がもろくなる、髪が抜ける、解毒力の低下などにつながってしまいます。
シスチンはバランス良く摂取する必要があります。
過剰摂取をしないように心がけましょう。 

わかさの秘密 L-シスチンについて参照

亜鉛の過剰摂取は注意しましょう。

亜鉛の過剰摂取は健康に悪い影響があります。また、1日あたり100㎎の亜鉛サプリメントの毎日の摂取、または10年間以上の摂取は、前立腺がんリスクを増加させる可能性があるとの報告もあります。また、亜鉛の過剰摂取により、銅の吸収阻害による銅欠乏、吐き気、嘔吐腎障害、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症、HDLコレステロールの低下、低銅血症、下痢などのおそれがありますので過剰摂取はしないように注意しましょう。

亜鉛を多く含む食品には魚介類、肉類、藻類、野菜類、豆類、種実類があります。特にかき(養殖/生)には100gあたり14.5㎎と亜鉛が多く含まれるほか、うなぎの蒲焼100g(1串)には2.7㎎、豚・肝臓生100gあたり6.9㎎と魚介類や肉類に亜鉛が多く含まれています。

一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品から亜鉛を多く含む食品や摂取量の目安はコチラをご覧下さい。

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html

健康長寿ネットより参照

カプサイシンを摂取する上での注意

カプサイシンを大量に摂取すると、胃腸が炎症を起こす場合があります。胃腸障害を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
また辛さが苦手な人は無理に摂取しないようにしましょう。
 

農林水産省カプサイシンによる情報より参照

まとめ

今回、髪にとって必要な栄養素がおわかりいただけたかと思います。
しかし、必要な栄養素だからといって過剰な摂取は身体や内臓に負担をかけてしまいかえって悪影響にもなりかねません。
髪の抜け毛に悩むあまりに過剰摂取しがちになりますが過剰摂取せずに1日の適量を摂取量を守り、毎日に食生活をきちんと見直してみる事をオススメします。