産前産後の女性たちは、様々な体の変化に悩んだり戸惑うことが少なくありません。「産後の抜け毛」も、その一つです。
そこで今回は「産後の抜け毛」の理由や続く期間、対処法を発毛診断士の久田篤がお届けします。
Yahoo!ニュースでの記事に皮膚科医博士の産後の抜け毛についての記事掲載がありましたので参照します。
皮膚科医のアブハ・グラティ博士によると、「産後の抜け毛は、妊娠中および産後のホルモンの変化が原因で発生する」とのこと。
サーシャ・ドート博士も、「エストロゲンは、毛髪の成長期を長引かせ脱毛期への移行を遅らせる作用がある」としながら、以下のように付け加えます
「新しい生活のストレスも毛髪を含める体に大きな負担となります。さらに、授乳で赤ちゃんに優先的に栄養を供給するため、体内の鉄分やフェリチンのレベルが低下することで、抜け毛を誘発となることもあります」
育毛や発毛を促すとされる美容製品は少なくありませんが、産後の抜け毛に関しては「時間の経過とともに抜け毛がおさまり、髪が生えてくる」と、ドート博士は解説しています。
目次
引用文にあった産後の抜け毛に関係する鉄分とフェリチンとは?
鉄分はよく聞くので分かるけど、フェリチンとはどういった成分でしょう?
フェリチンとは鉄をストックするためのたんぱく質で肝臓や脾臓に存在しているたんぱく質の一種です。フェリチンは鉄分を包み込んで「フェリチン鉄(貯蔵鉄)」を形成し、体内に鉄分をストックする役割があります。
男性より女性に貧血になる人が多いのはこのフェリチン不足に関係するようです。
フェリチンと鉄分は女性は男性より貯蔵量が少なく減少しやすいので鉄分の多い食事やサプリメントで補うのがオススメです。
煮干しや豚レバーには多くの鉄分が含まれています。
他の食材にも多くの鉄分が含まれていますので参考にしてみて下さい。
エストロゲンと産後の抜け毛の関係とは?
妊娠中は女性ホルモンの分泌が盛んになります。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、女性らしさを保つホルモンでもあり、エストロゲンの量はスプーン1杯とも言われていますが出産に伴い減少します。エストロゲンは髪の成長を促進するほか、髪の維持にも関係があります。
それは髪のヘアサイクルにも関係しています。
エストロゲンが増えると、本来なら髪の成長期を終えて、生え変わるために抜ける時期である退行期を迎える髪が、抜けずにそのまま生え続けます。
出産後はエストロゲンの分泌が急激に減りますので、エストロゲンの急激な減少に伴って髪の生え変わるヘアサイクルがもとに戻ります。
妊娠中に抜ける時期だった髪と、産後に抜ける時期を迎える髪が一度に抜けてしまうのです。それで産後の抜け毛の量を見てびっくりされる方は多いのです。
エストロゲンの急激な減少がおさまり、徐々にホルモンバランスがもとに戻るにつれてヘアサイクルも健康な髪のサイクルに戻り抜け毛も徐々におさまります。
産後の抜け毛は自然に治らないで、酷くなる人もいます。
産後の抜け毛のピークは約50%は4〜6ヶ月頃、半年〜1年で落ち着くようです。個人座はありますが、産後4〜6ヶ月の間が抜け毛のピークと感じるママさんが多いです。 その後、半年〜1年くらいで落ち着いていきます。 また、同じ時期に新しい毛が生え始め、元のボリュームに戻っていきますが、中には前髪が伸びにくい、産後の抜け毛が治らないなど深刻な抜け毛の悩みに悩まされているママさんもいます。
特に出産は女性の体に大きな負担をかけるうえ、回復しないまま新生児の育児が始まります。慣れない育児によってストレスが溜まるため、抜け毛が増えやすい状態だといえます。
過度なストレスを溜めないようするにはどうしたらいいか?
分かってはいるけど中々、ストレスを無くす事は出来ませんよね?
ストレスを溜めないように育児の工夫をしましょう。
ママさんに必要なのが「時間のゆとり」と「心のゆとり」です。時間にゆとりができれば心にもゆとりが生まれ、両者はつながっているとも言えますが、どうしたらゆとりが持てるのでしょうか。
子供ができたら何より子供が第一と全て子供の為にと優先させるべきと頑張りすぎてストレスを抱え込むママは少なくありません。
勿論、かけがえのない大切な自分の子供ですが、頑張り過ぎてしまい自身の体調や過度なストレスを溜めてしまってはマイナスにしかなりません。
頑張り過ぎない気持ちを保つ事も大切になります。
家事を適当に済ませる事も少しでも自分のゆとりの時間を持つ事も育児ストレスを無くす工夫をしましょう。
ストレスを少しでも無くす事によりホルモンバランスも正常化しやすくなり、ヘアサイクルの正常化にも繋がり産後の抜け毛がおさまり健康な髪が生えやすくなります。
コチラも参考にされると良いですね。
1日6時間以上の十分な睡眠を取る事を心がけましょう。
髪は寝ている間に1日量の約7割が分泌される成長ホルモンが大切になります。
成長ホルモンは夜10時〜深夜2時までが1番成長ホルモンの分泌量が多いゴールデンタイムになります。出来るだけこのゴールデンタイムの時間帯に就寝する事がオススメです。睡眠不足だと髪の成長を妨げてしまう可能性があります。
夜泣きなどで中々キチンとした睡眠が取れない場合も多いですが、空いた時間にお昼寝などで最低でも1日6時間は睡眠をとるようにしましょう。
栄養不足は抜け毛の原因になります。産後の抜け毛にオススメ食材。
産後の栄養不足は抜け毛を起こしてしまう大きな原因になります。
出産前や妊娠中にきちんと食事をして栄養をとっていた人でも、産後は忙しくてなかなか健康的な食事ができなかったり、食生活が乱れたりすることがあります。食生活の変化以外にも、産後に過度なダイエットをすることで栄養不足になり、抜け毛を増やしてしまうキッカケにもなります。
出産により女性ホルモンのひとつである、エストロゲンが急激に減少していますのでエストロゲンの減少によりヘアサイクルが乱れてしまい産後の抜け毛に関係してきます。
そこでオススメな成分は大豆イソフラボンになります。
イソフラボンはエストロゲンと良く働きをする成分ですのでイソフラボンを摂取そる事によりエストロゲンの減少を防ぎます。
大豆イソフラボンは豆乳や納豆などの大豆類に多く含まれていますので毎日に食事に一品、大豆類の食材をプラスしてみましょう。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/
農林水産省 大豆及び大豆イソフラボンに関してのQ&A
産後は頭皮に優しいシャンプー剤を使いましょう。
産後の抜け毛対策として、頭皮への負担が少ない低刺激性のシャンプーを使うのもおすすめです。刺激の強いシャンプーや洗浄力の強いシャンプーは頭皮を傷めてしまい、それにより頭皮のバリアゾーンは失われてしまい、細菌の繁殖で痒みや頭皮トラブルを引き起こして更なる抜け毛の原因にもなります。
産後はヘアサイクルも乱れがちなので髪も抜けやすい状態です。
頭皮をいたわる為に刺激の少ないシャンプーと洗浄力の優しいシャンプー剤選びが大切になります。
シャンプー剤や洗髪方法を変えるだけで抜け毛がストップする場合も多いので是非、参考にしてみることをお勧めします。
産後の抜け毛にはまずは規則正しい生活スタイルと食生活を改善することが基本となります。少しずつでも良いので、睡眠と栄養は取るようにしましょう。