薄毛は年齢より薄毛年齢が重要です。早めの対策が大切になります。
薄毛の人は「髪を作る細胞」がなくなるというのは本当でしょうか?
世の中に数多くある育毛剤ですが、使ってもなかなか髪が生える気配もないのはなぜか?
髪に悩む人にとっては切実な問題です。
そもそも薄毛の人は、髪を作る細胞が徐々に失われていったり、毛包自体がミニチュア 化したりしていますので、その段階で育毛剤を塗っていても効果は現れないのです。
髪を作る細胞がなければ、髪は生まれることができませんよね?
髪を作る細胞とは、毛包幹細胞と色素幹細胞です。この2つの細胞が細胞分裂を重ねて髪を作る素が生まれるのですが、薄毛になる人はこの2つの細胞が失われたり、毛包自体がミニチュア化してその機能が停止している場合が多く、したがっていくら高価な育毛剤を毎日塗っても髪が生える傾向が見られないということになります。
今回、東洋経済オンラインでも記事掲載されている発毛診断士の久田篤が解説致します。
こちらが発毛診断士久田が掲載された記事になります。
薄毛は実年齢より「薄毛年齢」も関係しています。
年を取ったから薄毛は治りにくいと思われがちですが、実は年を取っていても薄毛は治ります。〝歳だから〟とあきらめる必要はないのです。
確かに70歳の薄毛の人が 20歳の頃の様な髪がフサフサの頃に戻るということはないのですが、年齢相応の髪に戻ることは可能です。それには「薄毛歴」が関係してきます。
例えば、
A.実年齢50歳で、5年前から抜け毛が多くなり髪が薄くなってきたという人。
B.実年齢50歳で、20年前から髪が薄くなってきたという人。
この2人では、明らかにAのほうが薄毛が治る確率が高いのです。
髪は実年齢に関係なく、「薄毛年齢」が若ければ若いほど(薄毛歴が短ければ短いほど) 治る確率はアップします。
早期発見・早期対策が大切になります。
薄毛歴の長い人でもヘアサイクルが正常になり、毛穴が徐々に少なくなってきている「休眠」状態から目覚めれば、毛穴は再生され、毛穴の奥にある毛根も目覚めるのです。
「ヘアサイクル」とは髪が生えてから抜けるまでのサイクルのことをいいますが、頭髪は通常2~6年で生えては抜けてを繰り返します。
このヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3段階に分かれていて、成長期は髪を作る毛母細胞が細胞分裂して新しい髪を作る成長期です。
生え始めは弱々しい軟毛ですが、徐々に成長して太くしっかりした髪の毛に成長します。
次に退行期になると、成長期だった毛母細胞の活動が減り、髪の毛の成長が徐々になくなります。
その期間は約2~3週間になります。髪が自然に抜ける準備期間となり、そして最後は休止期となり、この休止期に入った毛は徐々に抜けます。
抜け毛とは、この休止期の期間になった毛が抜けたものですが、その抜けた後には毛母細胞が活発に細胞分裂をし始めていて新しい毛を生やす、というサイクルを繰り返します。
これが健康な髪のヘアサイクルになります。
健康なときのヘアサイクルは90%が成長期、 10%が休止期という具合に繰り返されていて男女や個人で差がありますが、例えば女性の場合には平均4~6年で一周し、一生では 20~30回ほどのヘアサイクルを繰り返すと言われています。
言い換えれば、髪を生やすチャンスは誰しも 20~ 30回あるということです。
その機会があるのにもかかわらず適切なケアをしない、AGA(男性型脱毛症)による影響により短いヘアサイクルになってしまうということになります。
ヘアサイクルを一生涯で平均20回程度と考えると、期間が長い毛根は100年以上サイクルを続けますが、AGA(男性型脱毛症)の影響によりヘアサイクルの期間が短いものだと 30年くらいで寿命がきてしまうということです。
女性の薄毛にももちろんヘアサイクルは関係しています。
サイクルが乱れれば当然髪は弱々しく、切れ毛や抜け毛が目立つようになります。
ただ女性の場合には、そのサイクルの乱れを早めるのに食事やストレス、睡眠、運動など生活スタイルも大きく関係してくることが多いです。
男性と女性では薄毛の原因が異なります
薄毛や脱毛の男性の9割は、AGA(男性型脱毛症)が原因となります。
これに対して女性の薄毛や脱毛の多くはびまん性脱毛、分娩後脱毛症、脂漏性脱毛症な どです。
男性の薄毛の場合「男性ホルモンが多いから薄毛になる」と認識されている方が多いようですが、実は男性ホルモン(いわゆるテストステロン)だけが原因ではありません。テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT) に変換され、このDHTが毛根に「髪を生やすな」と指令するのです。これが多くの男性 を悩まAGA(男性型脱毛症)です。
DHTを作る5αリダクターゼは男性の誰もが持っている酵素です。
この酵素は1型と2型があり、1型は頭皮や体全体の細胞にある酵素で、DHTが作られると皮脂が増加してきます。薄毛の原因となる厄介なのが2型です。これは髪が薄くなりやすい生え際部分の前頭部や頭頂部に存在する酵素で、そこでDHTが作られてしまうと毛乳頭に作用して髪のヘアサイクルを狂わせ、髪の成長期を短くしてしまいます。
DHTによって狂わされたヘアサイクルは数カ月~1年となり、髪の本数も少なくなり、成長過程の髪もヘアサイクルの短縮化によって髪は完全に成長しきれないまま抜けてしまいます。AGAによってヘアサイクルが短縮化し、その産毛は生えても黒く太くならずに、抜けてはまた産毛となりを繰り返すのです。
一方、女性の薄毛の場合はAGAの作用はないと言われてきましたが、女性でも男性ホルモンは作られますから、女性の男性ホルモンによる「女性のAGA」といわれる脱毛症 FAGAが存在します。
したがって女性に多い薄毛のびまん性脱毛症(髪が広範囲に薄毛になる脱毛症)の中には男性のAGAと同じ仕組みの、女性型AGAである FAGAのケースもあります。
しかし、女性の薄毛の場合には、その多くが加齢と出産とストレス、過剰なダイエットによる栄養不足が大きな原因になっています。
したがって短いヘアサイクルにならないようにすることが大切ですが、それ以前に薄毛やハゲで悩むケースの大半が「死滅」ではなく「休眠」中の毛根だという事実をよく知っておいてください。
薄毛歴が10年以上の方でも、自分に合った正しい方法で育毛方法を行えば、「眠っている」毛根が活動を再開して、髪の毛が生えるケースはたくさんありますので、早めのヘアケア対策と自分に合った育毛法が大切になります。
近年では短縮化したヘアサイクルを正常化に戻す働きを促すヒト幹細胞培養液による頭皮ケアが最先端の育毛対策として人気になりつつあります。